SF小説『レディ・プレイヤー1』の著者、アーネスト・クラインは、 自らをギーク文化の誇り高き一員だと自認しており、他のギークと同様に、クラシックビデオゲームや80年代のレトロなクールさへの関心を満たすためなら、どんなことでも厭わない。しかし、クラインが自身の著書のペーパーバック版のプロモーションのために、レトロスタイルのAtari 2600用ゲームを全く新しく制作したという事実は、彼をギーク界の頂点に位置づけるにふさわしい人物と言えるだろう。
そのゲーム「The Stacks」 は、クライン氏がeBayで購入したDMCデロリアン(そう、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名になったあの車種です)を勝ち取るための、3段階のオンライン宝探しゲームの 最初のパートです。オンラインでプレイ可能なこのゲームを見つけるためにも、ハンターは本のページに隠された秘密のウェブサイトのURLを見つけ出さなければなりません。本物の昔ながらのAtari 2600アドベンチャーの難易度を模倣したこのゲームをクリアすると、2つ目のオンラインチャレンジへのアクセスが解除され、さらに8月1日に開始される3つ目のチャレンジへの道が開かれます。3つのチャレンジ全てをクリアしたプレイヤーだけが、車を獲得するチャンスを得られます。
クラインのイースターエッグハントは、2044年のディストピア的世界を舞台にした仮想世界を舞台にした、本書に登場する似たような宝探しゲームと並行して展開されます。その仮想世界の創造主が亡くなると、彼は莫大な財産を、80年代のポップカルチャーに関する深い知識、特にあるクラシックアーケードゲームの熟練度が求められる課題の中で隠された3つの鍵を最初に見つけたプレイヤーに遺します。Ars OpenForumのメンバーであるBitPoetは 、この本を「ビデオゲーム、80年代の要素、仮想現実のマッシュアップで、すべては風変わりな億万長者の財産探しを軸に展開されています。80年代を生きたオタクなら、きっと楽しめるでしょう」と評しました。
「私はオタク精神を駆使し、自分の内なるオタク精神に従うのが大好きなんです」とクラインはArs Technicaに語った。「 『レディ・プレイヤー1』では 、観客との間に何も介在せずに物語を語りたかったんです。誰にもやり方を指示されずに、自分がこれほどオタク精神を駆使したらどうなるかを見てみたかったんです」とクラインは語った。
2011年に出版されたアーネスト・クラインの小説『レディ・プレイヤー1』が現在ペーパーバックで発売されている。
クライン氏が私財を投じ、Other Ocean Interactive社に「 The Stacks」の制作を依頼した際にも、その「オタク魂」は色濃く表れていた。このゲームは、Atari 2600の名作ゲームをあらゆる面で模倣するように設計された。このゲームはダウンロード可能なROMとして入手可能で、STELLAエミュレーターで動作するほか、Atari Ageのチームが製作中の実際のAtariカートリッジでも動作し、取扱説明書も付属している。「いつか実現するなら、ずっとこのゲームを作りたかったんです」とクライン氏は語る。「このAtariゲームを手にして、夢が叶ったんです。」