Google Cloudが新しいマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」を発表

Google Cloudが新しいマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」を発表

Google Cloudは本日、Google I/Oにて、開発者がAIモデルの導入と保守を容易にすることを目的とした新しいマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」を発表しました。モバイル開発者やウェブ開発者に焦点が当てられることが多く、Google Cloudに関するニュースがあまり取り上げられないI/Oでの発表としては少々異例ですが、Googleが本日Vertexを発表したという事実は、この新サービスが幅広い開発者にとっていかに重要であるかをGoogleが考えていることを示しています。

Vertexの立ち上げは、Google Cloudチームによる綿密な内省の成果です。「企業における機械学習は危機に瀕していると私は考えています」と、Google Cloud AI Platformのプロダクトマネジメントディレクターであるクレイグ・ワイリー氏は語ります。「この分野で長年働いてきた者として、ハーバード・ビジネス・レビューやアナリストレビューなどを見れば、どのレビューを見ても、大多数の企業が機械学習に投資しているか、投資に関心を持っているものの、そこから価値を得ていないという結果が出てきます。これは変えなければなりません。絶対に変えなければなりません。」

画像クレジット: Google

2016年から2018年までAWSのSageMaker AIサービスのゼネラルマネージャーを務め、2019年にGoogleに入社したWiley氏は、機械学習を自社で活用できるGoogleなどの企業は、それが変革をもたらすインパクトをもたらすことを理解していたと指摘する一方で、大手クラウドがこうしたサービスを提供し始めたのは数十ものサービスを立ち上げるという方法だったと指摘し、Wiley氏によると「その多くは行き止まりだった」(Google自身のサービスも含む)という。「最終的に、Vertexとの提携で目指しているのは、これらの企業のROI(投資回収​​期間)を短縮し、モデルを構築するだけでなく、構築しているモデルから真の価値を得られるよう支援することです。」

Vertexは、スキルレベルを問わず開発者やデータサイエンティストが迅速にモデルをトレーニングできる、非常に柔軟なプラットフォームを目指しています。Googleによると、例えば競合他社製品と比較して、モデルのトレーニングに必要なコード行数が約80%少なく、さらにモデルのライフサイクル全体を管理できるとのことです。

画像クレジット: Google

このサービスは、機械学習モデルのハイパーパラメータを自動調整できるGoogleのAIオプティマイザー「Vizier」とも統合されています。これにより、モデルの調整にかかる時間が大幅に短縮され、エンジニアはより多くの実験をより迅速に実行できるようになります。

Vertex では、ユーザーが機械学習機能を提供、共有、再利用できるようにする「Feature Store」や、より迅速なモデル選択によってモデルの生産への展開を加速できる Vertex Experiments も提供しています。

デプロイメントは、継続的なモニタリング サービスと、モデルのデータの準備と分析、モデルのトレーニング、評価、本番環境へのデプロイに関わるワークフローをチームが管理するのに役立つ Google Cloud の AI Platform Pipelines のブランド変更である Vertex Pipelines によってサポートされています。

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さまざまな開発者に適切なエントリ ポイントを提供するために、このサービスでは、ドラッグ アンド ドロップ ツール、上級ユーザー向けのノートブック、そして (少し意外かもしれませんが) BigQuery データ ウェアハウスで標準 SQL クエリを使用して機械学習モデルを作成および実行するための Google のツールである BigQuery ML という 3 つのインターフェースを提供しています。

Google CloudのクラウドAIおよびインダストリーソリューション担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるアンドリュー・ムーア氏は、 「Vertex AIの構築において、私たちは2つの指針を持っていました。1つはデータサイエンティストとエンジニアをオーケストレーションの煩雑さから解放すること、もう1つは業界全体に変革をもたらし、AIをパイロット段階から脱却させ、本格的な本番環境へと移行させることです。このプラットフォームの成果を非常に誇りに思っています。このプラットフォームは、データサイエンティストとエンジニアがやりがいのある創造的な仕事を行えるよう、新世代のAIを本格的に導入することを可能にします。」と述べています。

フレデリックは2012年から2025年までTechCrunchに在籍していました。また、SiliconFilterを設立し、ReadWriteWeb(現ReadWrite)にも寄稿しています。フレデリックは、エンタープライズ、クラウド、開発者ツール、Google、Microsoft、ガジェット、交通機関など、興味のあるあらゆる分野をカバーしています。

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