AmazonのQビジネスAIエージェントがさらに賢くなる

AmazonのQビジネスAIエージェントがさらに賢くなる

AWSは1年前、ビジネスユーザーと開発者向けのAIアシスタントプラットフォーム「Q」を発表しました。本日、Q DeveloperとQ Businessに幅広いアップデートが提供されます。Q Businessでは、企業がサードパーティツールからより多くのデータを取り込むことを可能にする新しい統合機能、サードパーティプラットフォームがQを自社サービスに統合する機能、そしてGoogle Workspace、Microsoft 365、Smartsheetなどのサードパーティアプリケーションでユーザーに代わってタスクを実行できる新しいアクションに重点が置かれています。

QuickSight の Q をさらに強化

Qはこれまで、Amazon独自のS3などのデータストアからGoogle Drive、SharePoint、Zendesk、Box、Jiraなどのサービスに至るまで、約40種類のエンタープライズツールからデータを取得できました。そしてQは、アクセス権限などの設定をそのまま維持しながら、これらのデータすべてについて正規のインデックスを作成します。今回の構想は、サービスがインデックスできるデータの種類を拡大し、それを用いてよりパーソナライズされた結果を提供することです。結局のところ、このインデックスこそがQの機能の中核を成すのです。

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企業は、データベース、データウェアハウス、データレイクに保存されているデータを、ドキュメント、Wiki、メールなど、他のビジネスデータと統合できるようになります。そして、AWSのビジネスインテリジェンスサービスであるQuickSightで、まさにそれが可能になります。同社によると、QuickSightのAmazon Qを利用することで、従業員はこれらのデータをクエリし、Qを活用してチャートやグラフを迅速に生成したり、既存のチャートをより多様なソースのコンテンツで拡張したりできるようになります。

これらの新機能は現在プレビュー中です。

サードパーティプラットフォームでのQの拡大

ビジネスの観点から最も興味深い機能は、Zoom、Asana、Miro、PagerDuty、SmartsheetなどのサードパーティサービスがAmazon Q Businessを自社サービスに統合できるようになることです。これらのサービスはAPIにアクセスできるようになるため、AIを活用した生成体験はQと同じインデックスにアクセスできるようになります。

例えばAsanaは、Q BusinessとAsana AIを統合することで、顧客がAsanaを離れることなく、他のサードパーティ製アプリケーション(Qでインデックスされているもの)から情報を見つけられるようにしています。そしてそこから、Qワークフローを開始し、これらのサードパーティ製ツールでアクションを実行できるようになります。

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同様に、Zoom は Q インデックスを使用して独自の AI アシスタントを強化します。これにより、たとえば、Zoom AI Companion が会議の文字起こしや要約を行う一方で、Q が通話に関連するドキュメント、電子メール、または wiki エントリを検索できるようになります。

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AWS は、これらすべての機能により、ユーザーがアクセスを許可されている情報のみが表示されることを強調しています。

この文脈において、AtlassianのRovoをはじめとする他社もサードパーティのデータ統合に重点を置いていることは注目に値します(Rovoは現在約80種類のコネクタを提供しています)。しかし、Atlassianを含む多くの企業は、ユーザーを自社プラットフォームに留めておくことを重視しており、サードパーティサービスにアシスタントやインデックスを統合させることは想定していません。これはAWSの興味深い戦略です。

より多くのワークフローのためのより多くのQ

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生産性向上に熱心な人々の長年の夢は、ビジネス運営に不可欠な反復的でありながら自動化が難しいプロセスを、より多く自動化することです。今回のアップデートにより、Q Business は Q が実行できる 50 以上のアクションのライブラリを備えるようになりますが、さらに重要なのは、AWS が Q で既に提供しているワークフロー自動化ツールの枠を超えていることです。このサービスでは生成型 AI が採用され、ユーザーは自然言語でワークフローを記述したり、特定のプロセスを記述したドキュメントをアップロードしたりするだけで済みます。また、ブラウザプラグインを使用して、Q がアクションの実行手順を段階的にキャプチャすることもできます。Q Business は、このワークフローを実行および維持できるエージェントを作成します。

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これらのワークフローは、特定の間隔で実行したり、特定のアクションによってトリガーしたりできます。

ワークフロー自動化市場は、UiPathやMicrosoftのPower Automateといったスタートアップ企業や既存企業で溢れかえっています。しかし、生成AIの登場により、これらの製品の一部は、かつて「ロボティック・プロセス・オートメーション」と呼ばれていたものの期待に応えられるようになるかもしれません。これらのシステムは実用化には脆弱すぎる場合が多かったのですが、生成AIによって、これらのツールとサードパーティプラットフォームとの連携において、より柔軟な運用が可能になりました。

新しい自動化機能は 2025 年に開始される予定です。

フレデリックは2012年から2025年までTechCrunchに在籍していました。また、SiliconFilterを設立し、ReadWriteWeb(現ReadWrite)にも寄稿しています。フレデリックは、エンタープライズ、クラウド、開発者ツール、Google、Microsoft、ガジェット、交通機関など、興味のあるあらゆる分野をカバーしています。

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