
SpaceX社の今後のStarship軌道テスト飛行は、同社の技術力のまさに集大成となる可能性がある。同社は、宇宙への往復飛行の全過程において、新しい打ち上げシステムと地上間の「高データレート通信を実証」するために、宇宙船にStarlink端末を搭載する許可を連邦通信委員会(FCC)に申請している。
SpaceXは、Starlink低軌道衛星ネットワークが、大気圏再突入時に大気中の「イオン化プラズマ」の存在により通常は通信信号が途切れる部分であっても、「前例のない量のテレメトリを提供し、大気圏再突入時の通信を可能にする」ことを実証する計画だ(マイケル・ベイラー氏のTwitterより)。もしこれが成功すれば、SpaceXの試験飛行中にこれまで以上に優れたライブデータが提供され、StarshipとSuper Heavy打ち上げシステムの開発に役立つだろう。そして、ライブストリーミングで自宅から見ている私たちにとっても、より鮮明で壮大な映像を楽しめることになるだろう。
打ち上げ中のテレメトリやその他の通信手段としてStarlinkを採用することは、説明通りに機能すればSpaceXにとって間違いなく機能向上となるが、Starlinkの能力を誇示するという点では、同社にとってさらに大きなアピールとなる。FCCへの申請書類によると、宇宙船に搭載される端末は基本的に既存の消費者向け端末に新しい外装ケースを追加したもので、性能が良好であれば、より多くの消費者向けブロードバンド利用者の注目を集める可能性がある。
さらに、SpaceXは、Starlinkが旧来の遠距離静止衛星ネットワークに代わるシステムとして、航空機、船舶、その他の交通機関におけるインターネット接続を提供する可能性についても積極的に言及しています。ロケット打ち上げ時にStarlinkが安定した性能を発揮することを示すことは、これらの分野のパートナーにとって間違いなく刺激となるでしょう。
申請書には、スターシップでスターリンクを運用するライセンスが8月1日に開始されることが明記されている。これは、スペースXのグウィン・ショットウェル社長が同社が7月中の打ち上げを希望していると述べた後の打ち上げが計画されているか、あるいは日付がすでに翌月にずれている可能性があることを意味する。
スペースXは7月にスターシップの初の軌道試験打ち上げを目指す
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宇宙、科学、健康技術を専門とするライター。以前は自動車とモビリティ技術を担当し、AppleとShopifyに勤務。
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