
IoT(モノのインターネット)デバイスが急速に普及し、多くの人々の日常生活がより便利になっています。しかし、それには代償も伴います。国連は、今年世界で発生する電子廃棄物の量が5,220万トンに達すると予測しており、その相当な割合が使用済みの電池です。
現在Computexにバーチャル出展しているフランスのスタートアップ企業、Dracula Technologiesは、インクジェット印刷による有機太陽光発電(OPV、有機太陽電池)技術で貢献したいと考えています。LAYER(Light As Your Energetic Response)と呼ばれるDracula TechnologiesのOPVモジュールは、自然光または人工光で屋内で動作し、低消費電力の屋内機器の電源として使用できます。シリコンではなく印刷で製造されているため、OPVモジュールの形状はよりカスタマイズ可能で、多くのバッテリーとは異なり、希土類元素や重金属は使用していません。モジュールは炭素系材料で作られています。
LAYER は環境に優しいだけでなく、経済的でもあります。同社によれば、バッテリーに比べて総所有コストを 4 分の 1 に削減できるとのことです。
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Dracula Technologies は現在、日本の半導体企業ルネサス エレクトロニクスや AND Technology Research (ANDtr) との提携を含むメーカー各社と連携し、BLE 経由でモバイル アプリにメッセージを送信できる自己発電型のバッテリーレス IoT デバイスの開発に取り組んでいます。
ドラキュラ・テクノロジーズは、公的研究機関であるCEA(フランス代替エネルギー・原子力委員会)との共同プロジェクトを経て、2011年に設立されました。CEOのブリス・クルション氏はこの技術の商業的可能性を見出し、6年間の研究開発を経て、ディープテック系スタートアップ向けのHello Tomorrowプログラムを通じてLAYERが立ち上げられました。
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ドラキュラ・テクノロジーズはこれまでに総額440万ユーロ(約540万米ドル)を調達しており、これには2016年にエンジェル投資家からパイロットライン向けに調達した200万ユーロと、昨年MGIデジタルとISRAカードから調達した240万ユーロが含まれます。ドラキュラ・テクノロジーズはこれらの資金を、産業化前段階にある太陽光発電モジュールの生産増強に活用しています。同社は2024年に産業化段階に移行し、年間数百万個のモジュール生産を目指しています。
デジタル印刷・仕上げ技術を手掛けるMGI Digital社と、高価値電子カード(免許証、ギフトカード、ポイントカードなど)を製造するISRA Cards社は、Dracula Technologies社の産業パートナーです。また、同社は、大規模導入可能なグリーンエネルギーソリューションのガイドであるSolar Impulse Foundationの#1000 Solutionsにも参加しています。
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キャサリン・シューは、TechCrunchでアジアのスタートアップ企業や最新ニュースを取材してきました。ニューヨーク・タイムズ、台北タイムズ、バロンズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ヴィレッジ・ヴォイスにも記事を掲載しています。サラ・ローレンス大学とコロンビア大学ジャーナリズム大学院で学びました。
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