MicrosoftのSlackのライバルであるTeamsは、動作が遅く、リソースを大量に消費するという評判が常にありました。Slackの成功を受けてMicrosoftがサービスのリリースを急いだ印象が強かったことを考えると、それも当然かもしれません。しかし、新しいTeamsのプレビュー版のリリースにより、状況は一変します。Microsoftはこれを「Teamsを根本から再構築」と呼び、新しいアプリケーションはパフォーマンスが2倍になり、メモリ使用量は従来の半分になると約束しています。これにより、会議への参加は2倍、チャットとチャンネルの切り替えは1.7倍高速になります。さらに、ユーザーエクスペリエンス全体も刷新されました。
マイクロソフトは1月の決算発表で、Teamsの月間アクティブユーザー数が現在2億8000万人に達していると述べました。これは、2021年7月の2億5000万人、2022年1月の2億7000万人から増加したことになります。とはいえ、これは驚異的な成長率とは言えません。公平を期すために言えば、パンデミック初期に見られたようなコラボレーションソフトウェアの急速な導入は明らかに終わったと言えるでしょう。
同社は、この新バージョンのTeamsを今年後半に全ユーザーに提供開始する予定ですが、現在、同社のパブリックプレビュープログラムにオプトインしたWindowsユーザー向けに展開中です(ただし、管理者が組織内で事前にこの設定を有効にする必要がある場合があります)。有効にすると、ユーザーは新バージョンと旧バージョンを簡単に切り替えることができます。Microsoftは、少なくとも当面は、ユーザーはいつでも以前のTeamsエクスペリエンスに戻すことができると強調しています。Macのサポートは今年後半に予定されています。

同社は、これを実現するためにTeamsのデータ、ネットワーク、チャット、ビデオアーキテクチャを最適化したと述べています。この強化の大部分は、アプリのレンダリングエンジンをElectronからMicrosoftのEdge WebView 2に移行したことによるものです。Microsoftはまた、TeamsのWeb開発フレームワークとしてAngularJSからReactに移行し、ユーザーインターフェースの構築にMicrosoftのFluent UI UXコントロールを標準化したことも述べています。
「2015年にTeamsの開発が始まった当初、これらの選択により、クロスプラットフォームのWebクライアントとデスクトップクライアントを迅速に提供できました」と、同社のエンジニアリング担当コーポレートバイスプレジデントであるSumi Singh氏は本日のブログ投稿で説明しています。「しかし、Teamsの機能とイノベーションが時間とともに大幅に拡大するにつれて、デバイスリソースに負担がかかるようになりました。これを認識し、チームは利用可能なテクノロジーの分析、ベンチマーク、プロトタイプの構築、そして社内で「ノーススター」と呼ばれる新しいアーキテクチャの定義に着手しました。」

同社は、Windows 11 に組み込みの Teams エクスペリエンスを導入したときにこの移行を開始しており、その取り組みが新しい Teams のリリースで実を結びつつあるようです。
マイクロソフトは、新しいTeamsの使いやすさを向上させることを目指したとも述べています。「私たちは、多様で成長を続けるユーザーベースに、よりシンプルでありながら豊富な機能を提供する方法を常に模索しています。だからこそ、Teamsのコアエクスペリエンスに機能強化を導入できることを大変嬉しく思っています。これにより、通知の把握、情報の検索、メッセージの管理、チャンネルの整理など、すべてより少ないクリック数で簡単に行えるようになります」と、マイクロソフトのコラボレーションアプリ&プラットフォームグループプレジデントであるジェフ・テパー氏は述べています。
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もちろん、MicrosoftはTeamsにAIを活用した機能をさらに追加する予定です。同社は今月初めにMicrosoft Teams向けのCopilotを既に発表しており、これに続いてさらに多くのAIベースの機能が発表される可能性が高いでしょう。結局のところ、Microsoftが最近話題にしているのは、まさにそれなのです。
(訂正:2億8000万は新しい数字だと以前お伝えしました。マイクロソフトは1月にも同じことを報告していました。記事を訂正しました。)
Microsoft Teams にアニメーションアバターと AI による要約機能が登場
フレデリックは2012年から2025年までTechCrunchに在籍していました。また、SiliconFilterを設立し、ReadWriteWeb(現ReadWrite)にも寄稿しています。フレデリックは、エンタープライズ、クラウド、開発者ツール、Google、Microsoft、ガジェット、交通機関など、興味のあるあらゆる分野をカバーしています。
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