Adobeの「Liquid Mode」はAIを活用してモバイルデバイス向けにPDFを自動的に再設計する

Adobeの「Liquid Mode」はAIを活用してモバイルデバイス向けにPDFを自動的に再設計する
画像クレジット: Adob​​e

きっと誰にでも経験があるでしょう。1時間もスマホをいじり続け、Google検索の穴にどっぷりハマった経験はありませんか?やっと見つけたリンクには、探していた情報がほぼ間違いなく載っているはずです。それをタップすると…なんと、50ページのPDFファイルでした。そして、明らかに手のひらに収まる画面には収まらないはずの文書を、ピンチ&ズームで操作しなければならなくなりました。

PDFファイル形式が誕生から30周年を迎えようとしていることを考えると、現代のモバイルデバイス向けに設計されていないのは当然のことです。しかし、PDFもスマートフォンもすぐに消えることはありません。そこでAdobeは、両者をうまく連携させる方法の開発に取り組んできました。

今朝、Adobeは「Liquid Mode」と呼ばれる機能をリリースしました。Liquid Modeは、AdobeのAIエンジン「Sensei」を活用してPDFを分析し、モバイルデバイス向けに自動的に再構築します。機械学習を用いてPDFを解析し、新しいセクションの開始を示すフォントの変化や、表内のデータの表示方法など、PDFの要素を理解し、小さな画面に合わせてレイアウトを調整します。

数ヶ月にわたる静かなテストを経て、Liquid Mode が本日、iOS および Android 向けの Adob​​e Acrobat Reader アプリで公開され、後日デスクトップ版にも導入される予定です。Adobe の CTO である Abhay Parasn​​is 氏によると、同様の機能を将来的に Adob​​e 以外のアプリにも搭載できるようにする API の開発も進めているとのこと。

Acrobat ReaderでPDFを開くと、アプリはLiquid Modeに対応しているかどうかを判断します。対応している場合は、Liquid Modeボタンが点灯します。ボタンをタップすると、ファイルはAdobe Document Cloudに送信され、処理されます。処理が完了すると、ユーザーはフォントサイズや行間などを好みに合わせて調整できます。Liquid Modeは検出したヘッダー/構造に基づいて、以前は存在しなかったタップ可能な目次を作成し、セクション間を素早く移動できるようにします。この処理は非破壊的なので、元のPDFファイルの内容は実際には変更されません。Liquid Modeを終了すると、元の変更されていないPDFファイルに戻ります。 

画像クレジット: Adob​​e

Adobeの取り組みについて初めて知ったのは今年初めのことでした。1月にExtra Crunchのインタビューで、パラスニス氏はAdobeのほぼすべての事業にAIと機械学習を導入する計画について説明しました。パラスニス氏によると、Liquid ModeはSenseiに文書を理解させるための第一歩に過ぎません。将来的には、ユーザーがSenseiに30ページのPDFを渡して、数ページの要約を返せるようにしたいと考えているとのことです。

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グレッグ・クンパラクはTechCrunchの編集者でした。グレッグは2008年5月に姉妹サイトMobileCrunchの編集者としてTechCrunchに入社しました。グレッグは主に消費者向け企業、特にガジェット、ロボット工学、拡張現実(AR)関連の企業を取材していました。開示事項:グレッグはETF/ミューチュアルファンドの株式を保有し、少量の暗号通貨(ETH、ADA)を保有しています。

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