LlamaIndex は大規模言語モデルにプライベートデータを追加します

LlamaIndex は大規模言語モデルにプライベートデータを追加します

昨年秋、GPT-4の前身となるOpenAIのテキスト生成AIモデルGPT-3を試用していた元Uberの研究科学者ジェリー・リュー氏は、このモデルのプライベートデータ(個人ファイルなど)を扱う能力に「限界」があることを発見しました。リュー氏はこの問題を解決するため、GPT-3やGPT-4のような大規模言語モデル(LLM)の能力とユースケースを解き放つことを目的としたオープンソースプロジェクト「LlamaIndex」を立ち上げました。

「LLMは知識の抽出と推論において驚異的な能力を提供します。質問応答、要約、洞察の抽出、さらには外部環境との連続的な意思決定さえも実行できます」とリュー氏はTechCrunchのメールインタビューで語った。「しかし、LLMにも限界はあるのです。」

プロジェクトの人気が高まるにつれ(月間ダウンロード数は20万件に達するまで)、Liu氏はUber時代の同僚であるSimon Suo氏と協力し、LlamaIndexを本格的な企業へと成長させました。現在、LlamaIndex(企業)は、開発者が個人データや組織データに基づいてLLMの機能を活用できるよう支援するフレームワークを提供しています。

「LlamaIndexは、開発者がLLMアプリケーションのデータ管理を行うのに役立ちます」とLiu氏は述べています。「当社のツールキットはこの点において最も深く掘り下げており、開発者が使用している他のツールとの統合も容易です。」

ラマインデックス
画像クレジット: LlamaIndex

LlamaIndexフレームワークを使用すると、開発者はPDFやPowerPointなどのファイル、NotionやSlackなどのアプリ、PostgresやMongoDBなどのデータベースからデータをLLMに接続できます。このフレームワークには、データソースやデータ形式を取り込むためのコネクタに加え、LLMで簡単に使用できるようにデータを構造化する機能も含まれています。

さらに、LlamaIndex にはデータ取得およびクエリ インターフェースが備わっており、開発者は LLM 入力プロンプトを入力して、Liu 氏の言葉を借りれば「コンテキストと知識が拡張された」出力を得ることができます。

「LLMアプリケーションやエージェントのための基本的な構成要素を提供するLLMアプリケーションフレームワークは他にも存在します」とLiu氏は述べています。「LlamaIndexの特徴は、お客様のデータソースとLLMを接続することに重点を置いていることです。LLMアプリケーションに関するデータの取り込み、管理、インデックス作成、そしてデータ検索のための幅広いツールを提供しています。」

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LLMをこのように強化できるという見通しは投資家の関心を集め、最近完了したシードラウンドでは、LlamaIndexに850万ドルの出資が約束されました。Greylockが主導し、ジャック・アルトマン、レニー・ラチツキー、チャールズ・シーといったエンジェル投資家も参加しました。

では、LlamaIndexはこの資金を何に使うのでしょうか?Liu氏によると、この資金はオープンソースのLlamaIndexプロジェクトをベースにした「エンタープライズソリューション」の構築に充てられ、今年後半に開始予定です。その機能の一つは、顧客が「保護グレード」のデータコネクタを使用して大量のデータを解析・転送できるようにするもので、もう一つの関連機能は「ドメイン固有の」データをインデックス化できるようにするものです。

「LlamaIndexは特定のテクノロジーに縛られていないため、テクノロジーの進化に合わせてLLMでも引き続きご利用いただけます」とLiu氏は述べています。「AI業界は非常に急速に進化しているため、初期段階のスタックは今後数ヶ月で変化する可能性があります。」

カイル・ウィガーズは2025年6月までTechCrunchのAIエディターを務めていました。VentureBeatやDigital Trendsに加え、Android Police、Android Authority、Droid-Life、XDA-Developersといった様々なガジェットブログにも記事を寄稿しています。音楽療法士のパートナーとマンハッタンに在住。

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